不動産会社を開業するうえで避けて通れないのが、宅建業免許の取得です。しかし、「実際にいくらかかるのか」「自分で申請すべきか、行政書士に依頼すべきか」と悩む方も多いのではないでしょうか。
本記事では、宅建免許の取得にかかる費用を2026年最新の金額でわかりやすく整理し、自己申請と代行依頼を比較しながら、開業資金を抑える具体策まで解説します。
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宅建免許の取得にかかる費用の全体像

宅建業免許の取得費用は、大きく次の3つに分類できます。
| 区分 | 内容 | 目安金額 |
|---|---|---|
| ① 免許申請の法定費用 | 知事免許33,000円/大臣免許新規90,000円 等 | 3.3万〜9万円 |
| ② 営業保証金 or 保証協会加入費用 | 供託1,000万円 or 分担金+入会金 等 | 約150万〜180万円 |
| ③ 事務所設置・開業諸経費 | 賃貸契約、内装、備品、通信費など | 数十万〜数百万円 |
保証協会に加入する場合、開業資金の総額目安は150万〜200万円程度となります。営業保証金1,000万円を現金で供託する場合は、これに約850万円が追加される計算です。
【2026年最新】宅建業免許の申請手数料はいくら?
宅建業免許の申請手数料は、免許の種類と新規/更新の区別によって異なります。ここはネット上に古い情報が多いため、正確に押さえておきましょう。
知事免許の場合
- 新規・更新ともに33,000円(各都道府県の収入証紙で納付)
- 申請する事務所が複数あっても、手数料は事務所数によらず一律33,000円
国土交通大臣免許の場合
- 新規申請:登録免許税90,000円(税務署または金融機関で納付)
- 更新申請:33,000円(収入印紙)
「大臣免許は支店ごとに5,000円追加」という説明をしているサイトもありますが、現行制度では支店ごとの追加手数料はありません。誤情報にご注意ください。
なお、令和6年(2024年)5月25日からは、国土交通省の電子申請システム eMLIT での申請が可能になり、提出先や納付方法に一部変更があります。
営業保証金1,000万円か、保証協会加入か
宅建業法では、消費者保護を目的に営業保証金の供託または保証協会への加入が義務付けられています。
営業保証金(法務局供託)の場合
- 本店:1,000万円
- 支店ごとに500万円を追加
現金1,000万円を法務局に預ける必要があり、開業時のキャッシュフローには非常に重い負担です。
保証協会に加入する場合
- 弁済業務保証金分担金:本店60万円/支店ごとに30万円
- 入会金・年会費・各種会費が別途必要
- 加入時の総額目安:東京の場合 約150万〜180万円(協会・地域により変動)
実際、全国の宅建業者の大多数が保証協会に加入しており、開業時の初期費用を1,000万円から大幅に圧縮できます。
選択肢は次の2協会です。
- (公社)全国宅地建物取引業保証協会(ハトマーク/全宅)
- (公社)不動産保証協会(ウサギマーク/全日)
提供されるサービスや会費体系が異なるため、事業方針に合わせて比較検討しましょう。
🔗 関連記事: ・宅地建物取引業保証協会への加入は義務ではないが大多数の業者が加入する ・(公社)全国宅地建物取引業保証協会とは(ハトマーク) ・(公社)不動産保証協会とは(ウサギマーク) ・宅建免許の営業保証金の供託に関して
事務所設置にかかる諸経費
宅建業法では事務所要件(独立性、執務スペース、専任宅建士の常駐など)を満たす必要があり、事務所コストは開業費用の中でも変動の大きい項目です。
- 賃貸契約費:敷金・礼金・仲介手数料・前家賃。都心一等地なら数百万円規模になることも
- 内装工事:間仕切り・床・壁・照明・空調などで数十万〜数百万円
- 備品:デスク・椅子・PC・複合機・電話など
- 通信費:固定電話、インターネット、携帯
- その他:看板、印鑑、名刺、ホームページ制作費
開業初期は自宅兼事務所やレンタルオフィスを活用することで、賃貸契約費用を大幅に圧縮できます。ただし、宅建業の事務所要件を満たすには独立性や応接スペースなどの条件をクリアする必要があるため、事前確認が必須です。
🔗 関連記事: ・宅建業免許は自宅開業でも取得可能です ・宅建免許はレンタルオフィスでも取得可能です ・宅建免許を取得したことのあるレンタルオフィス一覧
自分で申請する場合のメリット・デメリット

メリット:報酬費用を節約できる
行政書士へ依頼した場合の報酬(おおむね10万〜20万円)が不要になるため、開業資金を圧縮したい方には魅力的です。
デメリット:時間と手間、不備による遅延リスク
宅建業免許の申請には、
- 事務所の使用権原を示す書類
- 専任宅建士の登録証や身分証明書、登記されていないことの証明書
- 法人の登記事項証明書、納税証明書
- 略歴書、誓約書、事務所写真台紙 ほか
など、収集に時間がかかる書類が10種以上必要です。役所は基本的に平日日中しか開いておらず、書類不備があると審査が止まり、結果として開業時期が1〜2か月遅れるケースも珍しくありません。
不動産物件の仕入れや人材確保、銀行融資の交渉と並行して書類作成を進めるのは、現実的にかなりの負担です。
行政書士に依頼する場合のメリット・デメリット
メリット:スムーズな手続き+本業への集中
宅建業免許に精通した行政書士に依頼すれば、書類作成や役所とのやり取り、保証協会への加入手続きまで一括対応してもらえます。これにより、
- 書類の不備や差戻しを最小化
- 申請から免許取得までの期間を短縮
- 経営者は本業(物件確保・営業準備)に集中できる
といったメリットがあります。
デメリット:報酬費用が発生する
報酬は依頼内容や事務所により異なりますが、おおむね10万〜20万円程度が相場です。会社設立や保証協会加入まで含めるパッケージ料金の場合は、これより高くなることもあります。
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開業資金を抑えるための5つのポイント
① 電子定款で収入印紙代4万円を節約
会社設立時、紙の定款を使うと収入印紙代4万円が必要ですが、電子定款にすればこの印紙代がかかりません(公証人手数料自体は紙でも電子でも同額)。
公証人による定款認証手数料は、令和4年改正後は資本金額により次のとおりです。
- 資本金100万円未満:3万円
- 資本金100万円以上300万円未満:4万円
- 資本金300万円以上:5万円
さらに、令和6年(2024年)12月1日からは、次の条件をすべて満たす場合に1万5,000円に引き下げとなりました。
- 発起人全員が自然人で、3人以下
- 発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける
- 定款に取締役会を置く旨の記載がない
合同会社の場合は定款認証自体が不要のため、設立費用はさらに低く抑えられます。
② 保証協会に加入する
営業保証金1,000万円ではなく、保証協会加入を選択することで850万円以上の資金を温存できます。
③ 自宅兼事務所・レンタルオフィスを活用
要件を満たす範囲で、初期投資を圧縮しましょう。
④ 内装工事は最低限から
豪華な内装は、事業が軌道に乗ってから。最初は宅建業法の事務所要件を満たす最低限の備品でスタートするのが現実的です。
⑤ ポータルサイト広告は段階的に
SUUMOやathomeなどの大手ポータルは月額数万〜数十万円。まずは小さなプランで反響を測り、効果が見えてから拡大しましょう。いえらぶCLOUDのような不動産DXサービスを併用すれば、自社サイト集客やCRM運用も低コストで構築できます。
宅建免許申請の流れ(参考)
宅建免許申請から営業開始まで、保証協会加入を含めて通常45日〜2か月程度かかります。
- 事務所の確保と要件確認
- 申請書類の作成
- 免許申請(知事または大臣)
- 審査・免許通知
- 保証協会への加入手続き
- 営業保証金の供託 or 弁済業務保証金分担金の納付
- 免許証交付・営業開始
🔗 関連記事: ・宅建免許申請の流れと書類準備:完全ガイド ・不動産業の独立開業に必要な日数とは:詳しい手順と目安を解説 ・横浜での不動産屋独立開業ガイド:路面店からマンションの一室まで
まとめ:費用を正しく理解して、最短で開業しよう
宅建免許の取得費用は、保証協会加入を選択した場合で総額150万〜200万円程度が目安です。費用の内訳と注意点を改めて整理すると、
- 免許申請手数料:知事33,000円/大臣新規90,000円(支店追加料金なし)
- 保証協会加入で1,000万円の供託金が約150万円に
- 事務所コストは自宅・レンタルオフィスで圧縮可能
- 電子定款で印紙代4万円を節約
- 自分で申請すれば報酬を節約できるが、時間と不備のリスクを要負担
「費用を抑えたい」「でも確実に最短で免許を取りたい」――そんな方は、専門家への依頼がもっとも効率的な選択肢です。
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