「海外の本社があって、日本には支店だけを設けて宅建業を行いたい」というご相談をいただく機会が増えています。
この記事では、外国会社の日本支店で宅建業免許は取得できるのか、日本法人(子会社)を設立する場合との違いや実務上のポイントを、YASグループの視点から整理します。
結論:日本支店名義での宅建業免許は原則かなり難しい
まず押さえておきたいのが、「外国会社の日本支店」という形態そのものが、宅建業免許の想定する“事業者像”とズレているという点です。
- 日本支店は、日本の会社法上はあくまで外国法人の一部であり、日本独自の法人格を持ちません。
- 一方、宅建業免許は日本の法律に基づいて設立された法人または個人を前提としており、実務上も外国会社の支店を免許の主体として認めない運用が一般的です。
- クレーム対応や損害賠償、営業保証金・保証協会との関係など、責任主体が外国本社に及ぶことも、審査上のハードルになります。
このため、現場感覚としては「外国会社の日本支店で宅建業免許を取るスキームはかなり難しい/想定されていない」とお考えいただくのが安全です。
現実的な選択肢:日本法人(子会社)を設立して免許取得
外国企業が日本で宅建業を行う、もっとも一般的でトラブルの少ない方法は、日本法人(子会社)を設立し、その会社名義で宅建業免許を取るパターンです。
この場合のポイントは次のとおりです。
- 外国本社が日本法人の株式を100%保有していても問題ありません。
- 代表者・役員に外国籍の方が就任していても、宅建業法上の欠格事由に該当しなければ免許取得は可能です。
- 日本法人として、宅建業の事務所要件(継続的使用ができるオフィス、居住部分と明確に区分されていること等)、専任の宅地建物取引士の配置、保証協会加入または営業保証金の供託といった一般的な要件を整える必要があります。
YASグループでは、レンタルオフィスやサービスオフィスを活用した事務所選定と、宅建業免許の取得をワンストップでサポートしていますので、「どの住所で申請できるか」「専任宅建士をどう確保するか」といった初期設計からご相談いただけます。
日本支店での免許取得を検討する場合の注意点
それでもなお、「どうしても日本支店名義で宅建業免許を検討したい」というケースもあると思います。そうした場合は、次のような点にご注意ください。
- 宅建業法の条文レベルというより、都道府県・国土交通省の運用として「支店を免許主体と認めるか」が分かれます。
- 支店は日本法人格を持たないため、契約の当事者・責任主体が外国本社になることを、監督官庁や保証協会がどう評価するかが実務上の大きな論点です。
- 建設業などでは、外国法人の支店でも許可取得が可能とされる分野がありますが、その発想をそのまま宅建業に持ち込めるかは管轄庁の判断次第であり、事前照会なしに進めるのはリスクが高いと言えます。
YAS行政書士事務所にご相談いただければ、「本社国・業種・日本での事業計画」を伺った上で、管轄都道府県や国土交通省への事前相談の段取りも含めて整理いたします。
役員構成・専任宅建士など周辺要件にも注意
外国企業が日本で宅建業を行う場合は、免許の主体だけでなく、代表者・役員・専任宅建士の在り方も重要なチェックポイントになります。
特に、次のような点は早い段階で整理しておくと安心です。
- 代表者・役員が宅建業法上の欠格事由(一定の刑罰歴、破産、暴力団関係など)に該当しないことを、どの書類の組み合わせで証明するか(日本人と外国人で必要書類が異なります)。
- 専任宅地建物取引士を誰が担うか、日本法人に常勤できるか、他社との兼務がないかといった専任性の要件を満たせるか。
これらは、免許申請直前ではなく、「日本進出のスキームを組む段階」から一緒に検討しておくことで、スケジュールの遅延や計画変更のリスクを大きく減らせます。
外国会社の宅建業参入をお考えの方へ(お問い合わせ案内)
- 海外本社があり、日本では子会社を作って宅建業を始めたい。
- 既に日本支店があるが、宅建業を行うにはどの形態がベストか知りたい。
- 事務所選び・会社設立・宅建業免許・保証協会加入まで、まとめて相談したい。
このようなお悩みがあれば、YASグループ(YAS行政書士事務所)までお気軽にご相談ください。
外国企業の日本進出スキームの検討段階から、オフィス選び、会社設立、宅建業免許申請、免許取得後の運用まで、一社ごとの事情に合わせてサポートいたします。

