令和7年(2025年)4月1日施行の宅地建物取引業法施行規則改正により、宅建業免許申請の様式や手続きが変更されました。あわせて、各都道府県の運用ルールについても、デジタル化や利便性向上の観点から見直しが進んでいます。
本記事では、全国一律の法令改正による変更点と、各都道府県の運用見直しによる変更点を切り分けて整理します。
1. 【法令改正】令和7年4月1日施行・宅建業法施行規則改正の主な内容
令和7年4月1日に施行された宅地建物取引業法施行規則改正による主な変更点は以下の通りです。これらは全国一律で適用されます。
1-1. 役員等の略歴書の記載事項見直し
役員・政令で定める使用人(専任の宅建士を除く)の「略歴書」から、住所・電話番号・生年月日の記載が削除されました。
これに伴い、新様式「代表者等の連絡先に関する調書」の提出が新たに必要となりました。
1-2. 宅建業者名簿の登載事項見直し
宅建業者名簿の登載事項から「事務所ごとに置かれている専任宅建士の氏名」が削除されました。
1-3. 従業者名簿の記載事項見直し
従業者名簿から「生年月日・住所・性別」が削除されました。
1-4. 宅建業者票(業者票)の様式変更
事務所に掲示する宅建業者票の様式が変更されました。
なお、令和7年12月1日以降はサイズが「タテ25cm以上 × ヨコ35cm以上」に縮小される追加改正も施行されています(従来は「タテ30cm以上 × ヨコ35cm以上」)。
1-5. 申請様式全般の改正
令和7年4月1日以降の申請は新様式での提出が必須です。旧様式での申請は受け付けられません。申請書類は、各都道府県(大臣免許の場合は国土交通省)の公式ウェブサイトから最新版をダウンロードしてください。
2. 【国の電子申請】eMLITの手数料引下げ ※大臣免許のみ
国土交通大臣免許の手続きに使用する国の電子申請システム「eMLIT」(国土交通省手続業務一貫処理システム)について、令和7年4月1日以降の電子申請(eMLITに限る)で、大臣免許の更新手数料が33,000円から26,500円に引き下げられました。窓口申請の場合は引き続き33,000円です。
⚠️ 注意:eMLITは国土交通大臣免許の手続き専用システムです。
- 大臣免許:2以上の都道府県に事務所を設置する場合
- 知事免許:1つの都道府県内のみに事務所を設置する場合(eMLIT対象外)
したがって、埼玉県内のみに事務所を置く事業者(埼玉県知事免許)の手続きにはeMLITは利用できず、上記の手数料引下げも適用されません。知事免許の手数料は各都道府県の条例に従い、新規・更新ともに33,000円です。
3. 【都道府県の運用変更】携帯電話の取扱いと履歴事項証明書の扱い

ここから先は法令改正ではなく、各都道府県の運用ルールの見直しとして広がっている内容です。全国一律ではなく、対応は都道府県ごとに大きく異なります。
3-1. 事務所電話:携帯電話の取扱いは都道府県ごとに異なる
宅建業の事務所電話について、「携帯電話の利用を可とする」全国一律の法令改正は行われていません。一方で、デジタル化や開業時の負担軽減の観点から、都道府県の運用として携帯電話番号を認める動きが広がっています。
| 都道府県(例) | 事務所電話の取扱い |
|---|---|
| 埼玉県 | 携帯電話可(名義確認書類の提出が必要・運用見直し) |
| 大阪府 | 新規申請に限り携帯電話可(運用上の取扱い) |
| 千葉県 | 固定電話必須(申請事務所単独利用、自宅・他社兼用不可) |
| その他 | 都道府県により対応が異なる |
携帯電話で申請する場合、以下のような名義確認書類の提出を求められる場合があります(埼玉県の例)。
- 電話契約書の写し:契約者名が法人申請の場合は法人名義、個人申請の場合は代表者名義であること
- その他名義を確認できる書類:請求書・領収書など、電話番号と契約者名が明記されているもの
必要書類や取扱いの可否は都道府県ごとに大きく異なるため、必ず事前に管轄窓口へご確認ください。
3-2. 履歴事項全部証明書の取扱い
デジタル原則に基づくアナログ規制の見直しの流れの中で、申請書に会社法人等番号(12桁)または法人番号(13桁)を記載することで、履歴事項全部証明書の添付を不要とする運用が広がっています。
- 紙申請:申請書の第一面右上余白に会社法人等番号(12桁)を記載
- 電子申請(eMLIT):「経営体情報」に法人番号(13桁)を入力
ただし、この扱いも都道府県・申請形態によって異なる場合があるため、管轄行政庁の最新の「手引き」をご確認ください。
4. 申請前に必ず確認すべきこと
令和7年改正に対応した宅建業免許申請をスムーズに進めるため、以下を必ずご確認ください。
- 管轄行政庁の最新の「手引き」を取得する(埼玉県等各都道府県HP、または国土交通省地方整備局HP)
- 令和7年4月1日以降の新様式を使用する
- 携帯電話・履歴事項証明書の取扱いは管轄行政庁に事前確認する
- 電子申請を予定している場合は、eMLITの対象(大臣免許のみ)であることを確認する
- 業者票については、令和7年12月1日以降の新サイズ・新様式にも対応する
5. まとめ

令和7年4月1日施行の宅建業法施行規則改正では、略歴書・名簿・業者票の様式・記載事項の見直しが中心となりました。一方、「事務所電話の携帯電話化」「履歴事項全部証明書の添付省略」については、全国一律の法改正ではなく、各都道府県の運用見直しとして広がっている取扱いです。
両者を混同せず、必ず管轄行政庁の最新情報をご確認のうえ申請を進めてください。様式や運用が頻繁に更新されるため、申請直前に再度公式情報をチェックすることをお勧めします。
申請手続きや書類準備でお悩みの方は、宅建業免許申請に精通した行政書士へのご相談をお勧めします。
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