不動産会社にお勤めの方が独立して新たにご自身で不動産業を開業する場合、どれくらいの期間が必要か気になるところですよね。一般的な情報では「宅建業免許の申請から免許受領まで、2ヶ月程度かかる」と言われていますが、実際にはどうなのでしょうか。ここでは、不動産業の開業までに必要な日数を詳しく見ていきます。

1. 退職から宅地建物取引士の退社届まで

現在の不動産会社を退職する際の手順と日数の目安ですが、お勤めの状況によっては、退職前に有給休暇を消化することが一般的です。有給休暇期間中は、会社員の身分が残るため、新しい会社の専任取引士としての手続きを進めることができません。そのため、有給休暇が終わってから次のステップに進むことになります。

  • 有給休暇の消化期間:有給消化が必要な日数
  • 退職証明書の発行:1日から2週間程度(会社による)
  • 取引士証の勤務先変更届:1日

退職後、現在の会社から「退職証明書」を取得し、それを添付して専任取引士として登録している行政庁へ「勤務先変更」の届出を提出します。都道府県によって手続きの流れが異なる場合があるので、詳細は各行政窓口に確認が必要です。

2. 宅地建物取引士の退社届から会社設立まで

次に、独立後は信用の観点から個人事業主ではなく不動産会社として経営をスタートする方が多いです。会社を設立する場所を賃貸する場合、その物件探しや契約に日数がかかることもありますが、これらは退職前の休日や勤務後に行うことが多いため、ここでは日数として加算しません。

  • 会社設立の手続き:2週間から3週間程度

会社設立は、有給休暇期間中に進めることも可能ですし、退職証明書を待つ間にも手続きを進められます。そのため、会社設立にかかる日数を別途加算する必要はありません。

3. 宅建業免許の申請から受領まで

不動産業を始めるには「宅建業免許」が必要です。申請から免許受領までの一般的な日数は以下の通りです(東京都の場合)。

  • 宅建業免許申請書の作成:2週間から3週間程度
  • 行政庁への申請:1日
  • 行政庁の審査期間:約4週間

有給休暇期間中に申請書の作成を進めることで、日数を短縮することができます。

4. 行政庁の免許通知から営業開始まで

行政庁から免許通知が届いたら、不動産業協会への入会手続きや供託所への営業保証金の供託を行います。

  • 不動産業協会の入会審査(後半):約2週間程度
  • 宅建業免許証の受領:1日

供託所に行く場合は1日で済ませることができます。

総日数の目安

以上をまとめると、不動産会社にお勤めの宅地建物取引士が独立して不動産会社を設立し、不動産業協会に入会した上で不動産業を営業開始するまでの総日数は以下の通りです。

  • 有給休暇:消化する有給日数分
  • 退職証明書の発行:1日から2週間程度
  • 取引士証の勤務先変更届:1日
  • 会社設立:2週間から3週間程度(同時進行)
  • 宅建業免許申請書・協会入会書類の作成:2週間から3週間程度
  • 宅建業免許の申請・入会届:1日
  • 行政庁の審査期間:約4週間
  • 不動産業協会の審査(後半):約2週間
  • 宅建業免許証の受領:1日

これらを最短で進めることは難しいかもしれませんが、計画を立てて進めることで、退職から営業開始まで約3ヶ月程度を目安に考えると良いでしょう。当事務所にご依頼頂ければ、各手続きをスムーズに進めるサポートをさせていただきます。