住宅金融支援機構が発表した9月の「フラット35」の適用金利は、前月と比べて上昇。特に、融資率9割以下・借入期間21年以上の最も多く提供される金利(最頻金利)は年1.800%で、4ヶ月ぶりに上昇。
一方、「フラット50」の金利は、前月と比べて低下。最頻値は年2.050%で、前月との差が0.180%低下。この結果、フラット35との最頻値の金利差が、過去最少の0.25%になりました。
今回の「フラット50」の金利引き下げの背景として、物件価格の高騰や物価上昇対策、そして若年層を中心とした質の高い住宅の取得促進がある。
金利引き下げの結果、フラット50を利用した場合のローンの総返済額は約400万円減少し、毎月の返済額も6,000~7,000円減少する見込み。ただし、フラット35と比較すると総返済額は986万円増加するが、毎月の返済額は2万1,000~2万3,000円減少する。
簡単に言うと、フラット35の金利が上昇している中で、フラット50の金利は引き下げられ、特に若い世代が良質な住宅を手に入れやすくするための措置となっています。そして、この金利の変動によって、ローンの返済計画にも影響が出るということです。
フラット35、フラット50とは
日本の固定金利型住宅ローンのプロダクトです。以下、それぞれの特徴と内容を説明します。
フラット35
固定金利期間:35年間
金利の特徴:全期間固定の金利で、変動することがありません。
ローンの条件:国が設定する長期優良住宅の基準を満たす新築の住宅を対象としています。
その他の特徴:一定の耐震性や断熱性などの基準を満たす住宅であれば、より低い金利で借り入れることができます。
フラット50(一部の金融機関で提供されている商品)
固定金利期間:50年間
金利の特徴:全期間固定の金利で、変動することがありません。
ローンの条件:フラット35と同様に、長期優良住宅の基準を満たす住宅が対象です。
その他の特徴:フラット35よりも長期間の固定金利を望む人に適しています。50年という長期間の固定金利により、将来の金利の変動リスクから守られることがメリットとなります。
これらのローンは、長期間の固定金利が特徴であり、金利の変動によるリスクから自身を守りたい方や、将来的な金利上昇を懸念する方に適しています。また、長期優良住宅の基準を満たすことで、環境に優しく、長持ちする住宅を選ぶことが奨励されています。
フラット35とフラット50のそれぞれのメリット・デメリット
フラット35
メリット:
金利の安定性:35年間の固定金利なので、金利変動のリスクがない。
金利の優遇:長期優良住宅の基準を満たす場合、より低い金利で融資を受けられる。
資金調達の安定性:国がバックアップする制度のため、資金供給が安定している。
デメリット:
制約が多い:長期優良住宅の基準を満たさないと、低金利のメリットを享受できない。
金利がやや高め:一般的な変動金利型の住宅ローンと比べると、初めの金利がやや高いことがある。
フラット50
メリット:
超長期の金利の安定性:50年間の固定金利なので、非常に長期間、金利変動のリスクを気にせずに済む。
将来の金利上昇リスク対策:将来的な金利上昇を大きく懸念する場合、50年間の固定でそのリスクを回避できる。
デメリット:
制約が多い:フラット35と同様、長期優良住宅の基準を満たさないと、特別低金利のメリットを享受できない。
初めの金利が高め:フラット35よりも固定期間が長い分、初めの金利がやや高めに設定されることがある。
適用対象が限られる:フラット50は一部の金融機関のみで取り扱われており、全ての金融機関で利用できるわけではない。
どちらの商品を選ぶかは、自身のライフプランや金利に対する考え方、住宅の条件などによって異なるため、しっかりと比較検討することが重要です。