新型コロナウイルス感染症の影響で働き方が大きく変化し、多くの業種でテレワークが普及しています。この流れは宅地建物取引業界においても例外ではなく、宅建業における専任の宅地建物取引士の働き方にも影響を及ぼしています。ただし、テレワークの導入には正しい理解と適用が必要であり、誤解されがちなポイントについて説明します。

宅建業におけるテレワークの解釈

令和3年7月1日、国土交通省は宅地建物取引業法の運用に関する解釈の一部を改正し、テレワークを認める通達を発表しました。この通達は、宅建業界における働き方の柔軟性を高めるためのものですが、多くの宅建業者に誤解されているようです。

常勤性の要件とテレワーク

宅地建物取引業法では、専任の宅地建物取引士が事務所の通勤圏内に居住していることが要求されています。この「通勤圏内」とは、実際に通勤可能な範囲内を指し、テレワークが可能であってもこの条件は変わりません。たとえば、東京に事務所を構える宅建業者がいた場合、専任の宅建士として北海道に住んでいる人を採用することはできません。

違反となるケース

テレワーク導入が認められても、以下のような状況は宅建業法違反となります:

  1. 一時的な対応:審査をクリアするために一時的に通勤圏内に住むという形をとり、その後実際にはテレワークのみで出社しない場合。
  2. 住所変更後のテレワーク:免許取得時は通勤圏内に住んでいたが、後にテレワークを理由に遠方に転居し、事務所への通勤が不可能になる場合。

注意点

宅建業における専任の宅地建物取引士は、原則として事務所に通うことが可能であることが前提です。テレワークを導入する場合でも、これを維持することが求められます。事業者としては、テレワークの利便性と法的要件を両立させるために、適切な居住地の確保と業務運営の管理が必要です。

このように、宅建業におけるテレワークの導入は、単に働き方を柔軟にするだけでなく、法的な枠組みの中で適切に行われる必要があります。宅建業者は新しい通達を正しく理解し、適切な運用を心がけることが重要です。