国土交通省による不動産業の空き家対策推進プログラムの一環として、空き家や空き地、マンションの空室(以下「空き家等」という)の流通をビジネス化するための取り組みが進められています。この一環として、昭和45年に制定された建設省告示第1552号が一部改正され、令和6年6月21日に新たな告示(令和6年国土交通省告示第949号)が公布されました。この告示は令和6年7月1日から施行され、宅地建物取引業者が宅地または建物の売買等に関して受けることができる報酬の額が改正されます。

この改正に伴い、宅地建物取引業法の解釈・運用のガイドラインも所要の変更が行われ、令和6年7月1日から施行されることになりました。

具体的な改正内容について

  1. 報酬額の改正
    宅地建物取引業者が売買や賃貸借の取引において受け取ることができる報酬額が、物件価格や借賃に応じて変更されます。例えば、売買の場合は物件価格に応じた料率が適用され、賃貸借の場合は借賃の1.1倍以内が報酬の上限となります。また、長期の空き家等に関しては、媒介に要する費用を考慮して、通常の上限を超えた報酬の受領も可能となります。
  2. 媒介報酬規制の特例
    空き家等の媒介に関しては、特例として報酬額の上限が設けられ、依頼者への説明と合意が必要です。例えば、800万円以下の低廉な物件や長期間使用されていない物件に関しては、特例が適用されます。
  3. 関連業務に関する改正
    媒介以外にも、空き家等の所有者に対する助言や管理業務に関して、宅地建物取引業者が受け取る報酬が明確にされ、これらの業務が宅建業法の報酬規制の対象外となることが明示されています。また、専任の宅建士が関連業務にも従事できることが認められました。

まとめ

今回の改正により、宅地建物取引業者は空き家等の取引において、従来よりも柔軟に報酬を設定できるようになり、関連業務の拡大も期待されます。貴団体におかれては、改正内容を加盟業者に周知し、適切な運用を図っていただきますようお願いします。

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